この記事ははてなエンジニアのカレンダー | Advent Calendar 2022 - Qiitaの9日目のエントリです。
会議を司会として設計する際に、司会だけでなく、皆で今やってる会議をより良くしたいし今後の会議もより良くしていきたいと思って実践しているいくつかの手法を紹介する。非常に一般的な良くある手法が多いと思うが、実際に私がやってみてどうだったか、というのも記載している。
- 最近の私の状況
- 最初に会の目的を宣言する
- 予備時間を作っておく
- 議題ごとに細かく時間を決め、宣言しておく
- いつでも誰でも感想が書き込めるコーナーを議事録会場などに作って会の最初に宣伝しておく
- このエントリを書いての感想
- まとめ
最近の私の状況
- 最近いろんな会議を設計・司会している(以下、一般的には会議とは呼ばないかもしれないが"目的をもって複数人で時間を区切って何かをすること"をこの文章では"会議"と呼んでいる)
- 障害対応演習
- 新機能追加の流れをより早くするための課題の洗い出し
- チームの持つサービスに皆でより詳しくなるための会
- これら、皆に手を動かしてもらったりを初めてやっていくような際に、ある程度うまくやりつつ、次回以降をより良くしていくためのTipsをいくつか意識してやっているので紹介
以下で、実際にやってることとその狙い、および実際にやってみてどうだったかについてを書く。
最初に会の目的を宣言する
- 会議の目的を書いておき、会議の最初に宣言する
狙い
- 会議の目的を宣言しておくことで、参加者がどう振舞うと会の目的が達成できるか自分で考えられるようになり、各人がさまざまな判断をしやすくなる
実際にやってみてどうだったか
- 参加者から会議の感想として、"狙いがあったのでどう振る舞えばいいかわかりやすかった"というのをいただけた
予備時間を作っておく
- 時間配分を設計する際に、予備時間を定めておく。30分のmtgだったら5分くらい。2時間で15分とか。
狙い
- "ここはより時間を費やして話せばより会議の目的達成に近づきそうなので予備を投入しよう"という判断ができるようにし、司会が積極的に会議の内容に介入するための武器の1つとする。
- いわゆる"予備兵力の重要性"みたいな話である
- もし何もなかったら早く終わればいい。時間の有効活用の役に立つ
実際にやってみてどうだったか
- 完全に狙い通りの効果が出て非常に司会がやりやすくなった
- 予備の時間が完全に余ることもあり、そういうときは余った時間で、以下の "いつでも誰でも感想が書き込めるコーナー" にみんなで感想を書き込む時間にすることもできたし、狙い通り早く解散することもできた。
議題ごとに細かく時間を決め、宣言しておく
- 話題の区切りとなる部分をできる限り細かくしておき、それに適当でいいので時間を当てておき、議題毎に宣言する
狙い
- 1時間の枠だけを考えて時間管理をするよりも5分とか10分とかの枠を考えて時間管理する方が圧倒的に楽なはず。いわゆる分割統治
- 各人が時間の制約の中で目的を最大化するための行動が取れるようになる
- 時間の制約がわからない場合、常に"この話題で自分はこれだけしゃべっているけど大丈夫だろうか"とか、"司会はちゃんと時間を把握してるだろうか"という不安と戦うことになるであろう
実際にやってみてどうだったか
- "時間が迫ってきたので、今の議題の締めに入るか、予備時間を投入するか" という2択を、議題毎に考えるイベントが強制的に挟まれるので非常に適切に判断しやすくなった
- 実際、先日、時間を決めて宣言するのをサボった会を主催したが、1つの議題で結構時間が経過しても参加者から"時間大丈夫ですか"という発言が出るまで"ここで切る"という判断が遅延した
- 時間を切っていけるので無駄にダラダラ話すことにならない
- 議事毎の時間を決めておくことで"この議事はちょっと時間が足りなかった"という振り返りがしやすくなり、次回以降さらに時間の割り振りをブラッシュアップしていくたたき台とすることができた
いつでも誰でも感想が書き込めるコーナーを議事録会場などに作って会の最初に宣伝しておく
- scrapboxに会議ページを作り、それ専用のコーナーを作っておいて誰でもいつでも書き込める状態にしてある
- 次回以降、より良くするための感想コーナーを事前に作っておいて皆に書いてもらう
狙い
- 各人から感想が1箇所に集まり、次からの会の改善に活かす
実際にやってみてどうだったか
- 司会をしながら気づいたことでもすぐに書き込めて便利(司会専用のメモであればなんでもいいけど)
- なんとなく言い訳をしたい時に皆が見ることのできる会場に"こういう狙いを持ってこうしたが失敗だったかも、次はこうしよう"的なことを書いておくことで、気持ちが晴れる。不安は判断を鈍らせるのでね
- 参加者からめちゃくちゃたくさんの意見をもらうことができて実際にそれによって次回の会議を改善できている
- 実際にこのエントリに書いたようなことは
このエントリを書いての感想
このエントリを書いていて、いくつか気づいたことがある。 まず、時間の配分というのは、より良い会議にするための司会者が持つ強力な武器だということ。また、この武器はうまくやれば司会者のものだけにせず参加者にも分配することで会議をさらに良くすることができるのではないかということ。 これから会議の中身を考えるときはその辺りにも注意を払っていきたい。
また、たまにタイムキーパーと司会が分かれている会議も存在するが、それはあまり嬉しいことはないのではないかという気持ちも出てきた。ただ、時間の弾力的な運用を全くする必要がない会議・話すこと自体が最も重要で時間内に結論を出す必要がないような場(それは会議とは呼ばないかもしれないが)などではタイムキーパーがいることで司会が議事だけに専念できる、という効果はあるのかもしれない。 冷静に考えると、"事前に決めていた時間を超えたよ"というイベントをタイムキーパーに投げてもらえるなら司会は時間を気にしなくて良くなって便利だわ。その上で、司会は事前に決めた時間に従うかどうかを考えれば良い。タイムキーパー、いた方がいいですね。
まとめ
このエントリの内容は全体的に、"事前に考えておいてそれを皆に周知しつつ、実際に起きたり皆が感じたりしたこととの差分を補正していく" という話であり、さらに端的にいうと、"計画とその共有、それに対するフィードバック"が重要であるという話なのであろう。